目で見てはいけない

2008年10月28日

ここんとこ一冊の本に影響受けてます。

開業する人の中には、うどん屋の行列を見て儲かると思う人がいるらしい。

しかし、その人の資産や別収入は見えない。

店の中で見える出費は、仕入れ値と店舗家賃とそこで働いてる人の人件費ぐらいだが、それとて見えずに開業する人は多い。

入りは見えるお客さんから立つ「売上」しか収入がない。
自販機とか置いて「雑収入」とかもあるかもしれないけど、月の新聞代になるかもわからんほど、大したことはないのが常だろう。

しかし、金利や減価償却や修繕積立などは見えないし、ビニール袋や新聞や火災保険や電話代などがどれぐらい積もるかも、考えた人にしか見えない。
商店街でやってたら、アーケードの修繕積立に、年でなく月で10万ぐらい取られることもある。

多くの人は、見える売上を見える出費だけからは追い越されない。
しかし、ほとんどの人は、見えないものに追い越される。

たみ家の実体験ですが

商売の経験がなかったから、粗品代や商店会への支払いとか見えてなかったし
原価も一杯の売れるうどんから換算してて、売れ残りの廃棄の金額とかもきちんと考えてなかった。
エアコンも開業から1年ぐらいの時点で50万ぐらいしたので、会計的にも税務的にも費用は複数年に配分するけど、キャッシュアウトフローとしては大きかった。

うどん店は、ひしめいて競争してる以上、はっきり優れてないと、普通は儲からないのに、出る方はけっこう設備類は50万以上するものが多い。
案外、50万ぐらいの修繕を年に何回もしないといけないような場面が来るかもしれない。
普通は来んだろうけど。

問題になるのは、見えないものというか、無知や経験不足ゆえに見えるはずだけど見えてないもの。

だから、考えたり積極的に知らないことを知ろうとして調べないと、問題解決のための見るべきものは見えない。

お昼だけの行列は一時点で見やすいが、お客さんが来る時間の広がりはそれに比しては見にくい。
一番お客さんが多い時間に合わせて人は入れないといけないから、一時点に集中する業態は、人件費率が高くなる。

見えないものを見ようとしたら、調べたり考えるしかないわけで、おぜにさんというもの自体が金券とか有体物でなく、無形の観念というべきもので、一万円札とかは、その場でたまたま観念を有体化してるだけで、おぜにさん自体は、無形の観念だろう。
目に見えない観念を見ようとしたら、目で見たものを疑うしかないと思う。

ことうどん屋の開業に関しては、目で見えたことはたいてい全部ウソだと思った方がいい。
ウソじゃないことも多いが、ウソだと思って損することは、こと開業に関しては何1つない。
ウソだと疑えば、調べて確かめるから、それが必ず役に立つ。

とにかく、居抜きで入る人は、前そこでやってた人のことを聞けるだけ聞くこと。

絶対に思ってはいけないのが、「前の人は前の人。自分は自分でがんばればいいこと。そんなの知ってもしょうがない。」ってヤツ。
これは、最も失敗しやすい人の言うことの1つ。
きちんとした人が同業やって経営不振だった場所では、次に誰がやっても儲かる可能性はまずない。
評判の悪い人がやってて経営不振だった店なら、きちんとした人がやれば儲かる可能性はないとはいえない。
儲かってた店で、経営者が黒字廃業とか死亡したとかいう場合は、脈はあると思う。

前やってた人が店をしてて、かつ、家族総出で他でバイトして、店の大赤字を支えてたようなとこの後に、借入れして、余裕資金も不足した人が入るとかいうパターンがけっこうあるんです。



 
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