おぜにさんにシビアになる理由のひとつ

2008年09月19日

パートの面接や、1日とりあえず来てもらうなど試用を開業以来、数十人はしたと思う。

うちの時給は800円です。
3年前は良い方だったかもしれないが、今は、外食産業の労働市場でも大手の比率が高いので、他の個人事業者と比較しても仕方ない時代になっている。

800円は安い部類という見方も近頃はある。
微妙です。

パートの人に
「レジしながらでも、ちょっとタイマー見てください。」
とか
「他の作業してても、ときどき釜のお湯の様子も見てくださいね。」
というと

作業をやめて、タイマーの目の前まで来て、ずっとタイマーを凝視したり、釜の湯を手ぶらで忙しいときに凝視したりする人がいるのだ。
それが、1人や2人でない。

皆が同じことをするわけでないが、そういう感じの人の方が多いのだ。

正味、小学2、3年生のお手伝いの水準に達しない人が多い。

たぶん、その年齢でも、「時計見て」といって、作業全部忙しいときに止めて、時計の前まで行って時計を凝視したらギャグだ。

「あのう。タイマー見てって、あと何分かをときどき気にかけてって意味で、1秒ずつ減っていく数字をずっと目の前で見つめなくてもいいでしょ。」と言うと

ほんとに賢い意見を聞いて、心から感心したように、「そっかあ。それもそうですねえ。」と大きい声で言われると辛くなる。
もう辞めてもらおうかと思うが、何人か面接していい方だから来てもらったんです。

まあ達筆の履歴書で、県立高校もちゃんと卒業してるし。

でも、25+8とかなかなかできんなあ。

朝、突然電話して休みますとか

うつ病で、普通の人かと思ったら、12時ごろに、お客さんが列をなしてるときに、「店長、携帯の番号教えてください。」と突然聞いてきて、「今、聞かんでもええでしょ。」というと、「どうして教えてくれないんですか。」と泣き出したりする人もいた。

何らかの形で常軌を逸した人が、半分強ぐらいはいたでしょうか。

たまたま、うちはヘンな人の面接率が高かったのかもしれないと思う。
別に、お店の事情に関して愚痴を言ってるわけでは全然ありません。
そんなんだったら、書きません。

ただ、日本って、どうやっても自分で食えない人、社会にプラスアルファの貢献を絶対にできない人が、こんなに多いとはと驚かされ続けてます。

たぶん、どこでも合格しなかった人をうちみたいな零細に、○○が紹介してる可能性もあるにはあります。

35歳の男性で、履歴書が家事手伝いのみとか
65歳で、1m近くあるポニーテールの男で、「私は週3回通院してるので、通院日に合わせて働かせてくれ。」という人とか。
文字にする以上にすごいものがあり、面接するんが辛かった。

また、何が常軌を逸して見えるかというと
家族の事情で休まれたら困るし、都合を聞いておかないといけないので
「ご家族は?」と話を切り出すと

「私は、昔から男運が悪く、前の男には毎日殴られて蹴られて、こども二人できたけど、男が通帳持って逃げて、その後、大阪から高松に出てきて」とか、延々と話出す人も、今まで1人や2人ではない。

多くの人は、自分は自分の食う分ぐらい稼いでる気になってるかもしれないけど、社会を維持するには、病院や学校などの社会インフラを整えるだけでなく、こういう人達の分まで稼いでないと、絶対に社会は成り立たんということ。
社会貢献しようと思ったら、稼ぎ過ぎはないし、個人の感覚で稼ぎ過ぎてると思っても、ほんとは全然足らんのが実情だろう。

そして、けっこう、ちゃんと学校行ってた人や、まあまあ稼ぎのあった人が、こうなってるってケースもけっこう多いんです。

零細飲食店にまつわる配達の人やパートの人や同業他者などを見るに、壮年男性でも税金など一切引かずで年収200万以下の人が多いし、勤め時代に、世帯で自家用車持ってないとこなんか見たことなかったけど、今は、周囲で車持ってる人の方が少ないような気がする。
とまでは言わないけど、勤め時代に見たことないケースが多数でないかと思えるほど違う。

日本って、ほんとに能力つけないと、ほんまにすぐに食えない人があふれて社会不安で、誰も安心して暮らせんような社会が来るんじゃないかと、ほんまに心配になるほど、零細飲食店にまつわる人々の暮らしにはやばげなのが目立つ。



この記事へのコメント
うどん店を渡り歩く方もいらっしゃいました、
なにか一つ(例えば料理)が得意だけど他の部分でどうしても譲れない部分がある方とかでした。
現在までに数人いらっしゃいます、そのうち3名は現在近隣のうどん店で働いています。

「うどん作りより人選のほうが難しい」
そのように考え悩んで募集広告を出しましたが結果は「面接でどのように理由をつけて断ろうか?」と考える方がほとんどでした。

私は得た教訓は「何でも出来る=うそ」です^^;
友人の薬局店主も2分で大半の人がダメとわかると言っています、
店主が歓迎すべき人はすでにどこかで働いていて倒産でもない限り現在の勤務先をやめないのが現状でしょう、いえ店主とか企業が放さないが正解だと考えます。
Posted by ゴリマルゴリマル at 2008年09月20日 00:00
うちの会社でもバイトで申し込みに来る人は
正直まともに働けそうな人は1割以下です。
たまにこれは!と思う人が来ても
しばらく働いたら別の仕事が見つかったと辞めていく。

会社としても一度取りあえずででも雇ってしまうと
よほどの理由がない限り解雇も出来ない。
払える給料にも限度があるので
アカンかったからと言って次々雇うわけにもいかない。
おいそれとすぐに首を切られる会社も困るだろうけど
どうやってもあかんバイトの
クビを切れないってのも逆に困る。

うどん屋さんで言えばかけとぶっかけの違いを
いつまで経っても覚えてくれないとか
かけ中とおにぎりと天ぷら一個の
計算が全く出来ないとか。
ある種の病気、知的障害的なものといえば
そうなんだろうけど正直戦力にはならん。

でも法律でなんらかの障害のある人を
一定数雇わなければいかんとか
ありがたい講話とかでそういう人たちにも
理解を示さねばいかんとか教えられる。
理解は示したいがその分うちの会社は
倍ほど儲け出さないかんのだが
一体その分は誰が理解してくれるのかと。
Posted by PSY at 2008年09月20日 00:40
以前お話きいてたけど、ホント大変なんやね~。たみやさん。
職場でのコミュニケーションがとれるとか以前の問題なんやね~。社会全体で人の能力格差も広がり、働けない人がえらく多くなってきてるような感じですね。
(逆に賢くまわりすぎて、職場で自分のアピールが異常にうまかったり、人をおとしいれたりする人もまわりに迷惑やけどね)

時給さげて、そんなひとの仕事は極力へらして、
単純作業で頑張ってもらって、何人かで一人分をがんばってもらうとか?(でも ボランティアで雇ってあげとるわけでないしなあ~)
いいアイディアはなかなかでないなあ~。
Posted by まんみ at 2008年09月20日 07:54
やっぱ一度ゆっくりお話ししたいものです(笑)

香川の学生の定着率は三割ちょいだとか…

できる奴はみんな中央へ…
うちも今のスタッフに落ち着くまでは散々だったんですよ。困ったものです。
Posted by kita@リセット at 2008年09月20日 15:19
ゴリマルさん
確かに、時給800円で働こうという人に優秀さを求めるのは、普通は無理があると思います。
何らかのルートというか求人のツボみたいなものを持ってることが大事なのかと。
某焼き鳥店も、大学のサークルでバイトが代々続いてるが、そこの人なら、まず大丈夫ってのがあるらしいです。


PSYさん
100分の1ならまだしも、3分の1の戦力がそれなら辛いです。
ただ、大きな事業所も最小単位のセクトでいえば、分母が小さくなるので辛いかもしれませんね。


まんみさん
最低賃金は、正確には忘れましたが、650円前後ですから、安くして2人雇うと、単純に倍すれば時給1300円になっちゃいます。
なかなか難しいです。
テーマは、うちの求人の話でなく、日本の問題の方だったりします。


kita@リセットさん
栗林公園前の屋台に毛が生えたようなお店の準備が進んでます。
kitaさんにはメリットないかもしれませんが、たみ家にはいろいろ勉強になりそうです。
web関連を活かしたい気もしますが、身一つだとネット販売とか物理的にやる気がしません。
ただ、何か考え方をつかみたいとは日々思ってます。
シャッターが半開きだと、試作中兼、お知り合い歓迎とか何らかのサインを出しますんで、来月ぐらいからいつでも寄ってみてください。
Posted by たみ家たみ家 at 2008年09月22日 01:07
 
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