高校無償化VS最低賃金への補助

2010年03月02日

おぜにさんを使う理由 2 に代えて

国がおぜにさんを使うときは、

国の規模でやらんといかんことか
民業で成り立たん救済でないといかんわけです。
そして、それにはできるだけ、入れたおぜにさんを増やす投資的意味がほしい。

でないと、民間からおぜにさん取り上げる理由無いんです。

国際空港なんか、漁業権や航路削って埋め立てたり、広大な土地を買収したり、反対する者をいざというときに、強制できなければできるかどうかわからんので、民業ではつくれません。
それに、投資的意味がある。
そういう具合に、使う側に意味がないと、おぜにさん取ることが許されない。
いくらかは国を良くするからといって、そこらの道沿いに普通のコンビニつくったりは許されない。

そうすると、高校無償化は行けない人が行けるようにする部分以外は、教育水準そのものを上げる効果もなければ、救済の意味もない。

ところが、まだ最低賃金引き上げのための補助金は、低賃金者のためのおぜにさんだから、労働弱者への救済の意味があるし、企業というおぜにさん増やすところに入れるおぜにさんだから投資的意味合いもある。
もちろん、零細企業の救済の意味もある。
金融不安や連鎖倒産の不安への緩和の意味もまあ無くはない。
生活保護よりもひどいというワーキングプアを、是正することは、安易に生活保護に流れることのモラルハザードのゆがみを取り除く意味もあるので、生活保護受給者と低賃金者それぞれに、働く意欲を高めるなど、国全体の矛盾を減らしながら活力を生む意味もある。

それは、高校に行きにくい人や、高校生を持つ親に限らずパートで働きながら子育てする人の支援にもなる。
もちろん、世帯主のことならなおさらだ。

論理的、構造的に、考えたら、ことの優劣は明白で、高校無償化はでたらめなばら撒きでしかない。

ただ、もし、国の状況が、高校になかなか行けない人が国民の大多数だけど猛烈に成長してて、戦後復興して先進国を目指すに当たって、誰もが高校に行けるようにしようというなら、救済の意味もあるし、投資の意味もあり、国というシステムの安定を図ることと国民の生活を安定させる意味が一致する。

今、おぜにさんを使う意味と優先順位を考えなければ色んな救済ができなくなるとき、経済に活力を生まなければ国民の生活を安定させる基盤が損なわれるかというときに、高校無償化へのばら撒きは悪としかいいようがない。
完全実施に至ることは、静かで見えない殺人とさえ言える。

十万円とか百万円というレベルで人件費が足りなくて、児童虐待へのケアが及ばず、家庭や保育所で亡くなった児童とか、救急医療が間に合わなかったなど、色んな分野での全国の無数のパターンが見えていれば、これが静かで見えない殺人であることがわかるはずだ。

高校無償化で、富裕な開業医や大企業のエリートコースのとこにおぜにさんが返るんなら、まだ、貧困国のワクチンのためにワンクリックでもした方がいいと思う。

こういうことに怒れないのは、感覚の麻痺ではないだろうか?

選挙で勝つために、麻痺した国民に訴えるのは何かと政党は考えた。
すると、失政は、麻痺した国民が主犯、政治家は従犯というのが、たみ家の基本的立場。

「政治に不満があるなら投票しよう」とかいうが、麻痺したまま投票しただけで、義務を果たしたとは思わない。
投票は、入り口のドアに手をかけたに過ぎない。

絶えざる議論や勉強や、苦情や提案など、レベルを上げて、政治や行政を監視する力を国民が強めなければ、主犯の座から降りることはできない。

国民全体が普段から議論をしなければ、失政は直らない。



この記事へのコメント
同意です。

高校授業料無償化とか、子供手当てとかはその場限りの単期政策、あるいは人気取りだと思います。

無償化で恩恵を受けたはずの高校生が、3年後年金を支払うかどうかということも定かでない世の中、それほど信頼は薄れています。

また、高校へ行かせられる世帯は苦しくとも働ける世帯です。

政府は、働く生活困窮者とか老々介護者とか、真に困っている人に救済の手を差しのべるべきだと私は思います。

短期政策も大事ですが、長期展望も大切ですね。
Posted by ひめ太郎 at 2010年03月02日 19:59
ひめ太郎さま
選挙のたびに、無駄な公約で困らされそうですね。
Posted by たみ家たみ家 at 2010年03月02日 23:02
 私も高校は無償化に反対です。最初はいいと思ってましたが、考えが変わりました。生活の苦しい人への救済に資金を回すべきと思います。本当にまじめに勉強したい人だけが高校に行って欲しいとも思うからです。

公約を守ろうとするのは場合によってはいいと思うのですが、税収は限りがあるので、優先順位を考えないといけないと思います。
また、民主党に票を入れた人も全ての公約に賛成ではない場合があると思います。『この公約には賛成だが、これには反対。でも、他の党にいれるよりはいいかな、政権交代も大事だから』と消去法で入れた人もいる可能性があると思います。
 
Posted by 柳下玲優 at 2010年03月02日 23:37
柳下さま
たみ家も当初財源不足だろうとしか思わず。
積極的悪とまでは思いませんでした。

義務的な出費の次に、投資と救済のバランスが大事だと思います。
高校無償化の完全実施は、投資でも救済でももちろん義務でもなく、浪費、濫費でしかないように思います。
Posted by たみ家たみ家 at 2010年03月03日 23:30
 
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    コメント(4)