あなたのやさしさ

2010年02月02日

「神田川」の歌詞の謎の代表は

「あなたのやさしさ」の怖さとは何かと

「いつもわたしが待たされた」理由


これ、「人生が変わる 1分間の深イイ話」でやってたらしいですね。

でも、それだけではわからないことがある。

二宮清純さんと作詞者との対談がネットで調べる限り一番詳しいような気がする。

作詞者の原体験では、「あなたのやさしさ」は、同棲してたカノジョがカレーをつくってるところを思い出して歌詞を書いたそうだ。

この歌詞の作家は、すごく急いで歌詞つくらなくていけなくて焦って、本人いわく30分ぐらいでつくったので、自分の経験を男女どっちの側もごっちゃにして、つくったそうです。

「いつもわたしが」とあるが、当たり前なんです。
どっちもの立場が入ってるから、同時じゃなければ、どっちかが待たされるんです。

「あなた」も「貴方」であり「貴女」。

カノジョの方が遅くて出て、「ごめん。待ったぁ!」、男が気を遣って「う~ん オレも今出たとこだよ。」とか言ったところにカノジョがしがみついて「冷たいね」って言ったこともあるだろうし、片方が池の鯉にえさをやってたりしてたことも原体験としてはあるのかもしれません。

「オレもロン毛だったからね。」
は清純さんとの対談で言ってます。


「深イイ話」では、見てないけど、ネットなどで調べたところ、作詞家になる夢があるのに、日常のやさしく流れる時間に甘えて、志がぼやけていくことが許せなかった。
自分の志と背反するものが、カノジョのやさしさだったと。

そして、カノジョとのやさしくて甘い日々を振り切って、別れ、放送作家としてデビューし、かぐや姫にこの歌詞を提供したようです。

ただ、清純さんとの対談では
作詞家になる志でなく

学生運動で革命を志して理想を掲げて、機動隊に突っ込んだりして戦って疲れて、帰ってみると、やさしいカノジョがカレーをつくってる姿があった。
「オレ、理想を掲げて生きるなんて向いてないんじゃないかな」と思ったと。
「やさしさに流されたい。」
「田舎に帰って、教員免許でもとって平凡に暮らした方がいいんじゃないかなあ。」

つまり、男としての強さ、よくある言葉でいうと、サムライ魂っぽいものを奪われ吸い取られていくような気がしたということ。

急いで歌詞つくってて、「何もこわくなかった。」で止めようとしたらしい。
しかし、そこでふと「じゃあ、反対に考えてこわいものは何だろう?」と立ち止まって考えようとしたそうです。
そこで、「あなたのやさしさ」を追加したそうです。

なるほど、作詞家への夢にしても、革命の理想にしても、満たされず戦ってるときは、何もこわくないのかも。

それだからこそ、心地良いものや、なくしたくないものがこわいとは言えそうだ。


たみ家もこたつがこわい。
2年間入らなくても平気だったのに、入りだすとやっぱり出られない。
うどん職人としての志や気概を軟弱化させるけしからんものだあ~

逢い見ての後の心だね。

「カノジョいない歴=人生」の人よりも客観的にはいいはずなのに、最愛の人との死別は苦しかろう。

何もないことよりも、失うことは、心情的には辛いことが多いね。


ただ、歌詞の意味って、作者のネタになった原体験が真相とは言いがたい。

①原体験

②原体験をもとに、作家がこめたい意味

③視聴者に受け入れられるだろうと狙う意味


④歌い手がこめる意味 もしかしたら南こうせつは、女性として歌ったかもしれない。
もし、書けば「わたし」のところを「あたし」とか「あたし」に近い発音でもしてれば、そこは女性の歌になるでしょう。

また
⑤大衆が、どのように理解して共感し、ヒットにつながったか。
その意味は、作家の意図よりも重要かもしれないし。

⑥大衆が意図しなくても、言葉にはしなかったとしても、深層で感じてた意味も重要。

この歌詞は、男女どちらも、夢を追う人も、革命に燃えて挫折した人も、恋人のやさしさを大切にしてる人も、色んな人の思いと共感するファジーゆえのオープンさがあったから、当時160万枚も売れたのかもしれませんね。

年明けうどんも、年明けが長いし、赤いもの何でもいいというファジーでオープンなところが、多くの協賛につながったというしね。
また、連合赤軍は、キスしたら軟弱と言って、殺し、失言をもとに、革命戦士の資格なしと殺した。

厳格で閉鎖的なところは、いかにしても、広く参加を得られず、多数派を形成し得ないので、革命の担い手になり得ない存在だったのでしょうね。


たみ家が勉強になったのは、歌の歌詞一つとっても

物事の意味とか深層に

多重性があるということかなあ。


ハチのムサシだって、ドンキホーテ説とか童話説とか色々言いますが、当時、連合赤軍事件の直後に、「テロリストを美化しました。」って言えないでしょう。
それも紅白まで出て。
テレビのコメントなんかアテになりません。

また、神田川の作詞者も、あるときは、「あなたのやさしさ」は、作家としての志を弱めるものといい、別のときには、革命を志した気持ちを弱めたといっている。
どっちもなんだと思う。


「戦争を知らない子供たち」の作詞者も

「反戦や世界平和を祈ったんじゃなくて、上の世代に『お前らと違って、俺らは戦争で苦労した。』と散々聞かされて辟易してたので、幼稚な反抗心から歌詞をつくった。」とインタビューに答えたこともありますが、歌い手は、イメージを損ねたら損なので、そうは言わなかった。

歌詞の真相って、真相であり深層で、単純な告白や事実だけでは判然としないことがあると思う。



この記事へのコメント
その通りですね。

聞き手・世の中の解釈は色々でいいと思います。

「神田川」の鯉の話も、TVで観て何だかがっくりきましたもん。
By いち原奥
Posted by ICHI☆KENチームICHI☆KENチーム at 2010年02月02日 22:47
いち原奥さま
きっかけになった出来事は、小さくても、そこから大事に発展するって多いと思います。
Posted by たみ家たみ家 at 2010年02月03日 17:23
 
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