残念だったね。

2009年05月24日

権力の世襲が問題になるのは、一つはこういうこと。
世襲が増えると国民の感覚や慣行がおかしくなるんです。

刑事裁判に遺族の感情を入れることは危険だと言い続けているのも、似たような話です。
世襲ってのは、感情とセックスを基盤にするってことです。
感情、セックス、おぜにさんの話は要は固体であれ遺伝子であれ、自己保存。これらの対極にあるのが観念や理性で、これらもまた別の危険性を持っている。

国会議員の世襲ってのは、国家の私物化現象の一つです。
議員の世襲を許す風土が大分の教職員不正採用の問題を許したと言ってもいいかもしれない。

青字は、ノムヒョンさんの死に関する報道のコピーです。


過去、全斗煥氏も金泳三、金大中両氏の場合も家族が金銭疑惑で逮捕されている。権力者の家族や親戚、縁者に群がれば、その口利きなどで利を得ることができるという縁故主義の結果だ。これには「権力を背景にすれば法律や規則など無関係に何でも可能になる」という権力の大きさが作用している。

 みんなが権力を利用し、権力に群がって甘い汁を吸おうとする。韓国では現在の李明博政権下を含め「自分は大統領官邸に知り合いがいる」といって詐欺をはたらく者が依然、後を絶たない。

 ≪「法より人情」≫

 韓国では血縁をはじめ地縁、学縁、その他…人と人とのつながりが何より重要という「法より人情」の社会が続いている。みんなが日常的に“有力な人脈”を求めて必死だ。これが変わらない限り、権力にまつわる金銭疑惑事件はなかなかなくならない。


ノムヒョンさんは残念だったね。
彼が大統領になる前から彼の著書を読んでいて、貧農の家の5人きょうだいの末っ子で大学にも行けずに、子持ちで苦学して弁護士になって、弱者の側に立ち続けて政界に入った事跡や、開かれた考え方に感銘を受けた。
普通に考えてあの人以上の人がいるとはそうそう思えない。

権力闘争が激烈な韓国政界にあって、彼自身権力基盤が弱く、自分が欲しがらなくても、自分を支える人が汚染されていくことをある意味甘さと弱さから抑えたり断ち切ることができなかったことがずるずるになったのではないだろうか?

世襲の問題とセットで、基盤を持たずに立ち上がっていく人達の基盤の弱さからくる問題についても考えていく必要があると思う。
国民に対して、あるべきと訴えたことと、身近な話でそれを一致させられなかったノムヒョンさんの件、社会情勢や人間の弱さからくる問題を法や制度によって、どのように現実と折り合いをつけながら是正していけるのかについて考えさせられる。



 
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