焼き払って撤退&白衣の天使

2009年05月17日

たみ家は、中学ぐらいのときに、ナポレオンのロシア遠征で、ロシアがモスクワを焼き払って、ナポレオン軍をダウンさせたというので初めて焦土作戦なるものを聞きました。

たみ家は、自国の街を焼くなんてもったいない。
それにナポレオン軍もさらに追いかけたら良かったのに。
包囲されて街を焼かれて焼死者がたくさん出たのかなあ?
ぐらいにあまり考えずに思ってました。


あとで、聞くと、自然の森林も田畑も、土以外に何もなくする必要があるということなんですね。
ロシアで戦争すると冬が長いし、必ず水が凍る時期が来る。
燃料になる森林も木造住宅も完全に焼いておけば、水道も井戸も破壊して焼き払っているので、寒さをしのぐ家もなく、食糧が調達できない上に、氷を融かして水を飲むこともできなくなる。

焦土作戦って、日本でやってもあんまり意味がなくって、まさにロシアのためにあるような作戦なんですね。

渡辺淳一さんが「南の国の人が北に憧れるなんてもんじゃない。北の人が南の国に憧れる気持ちの強さは。」

っていうけど、ど根性で、一時はアラスカまで領土を広げ、不凍港を求め、南に南に進出し、オスマントルコと戦って、フィンランドやスウェーデンに因縁つけて、アヘン戦争などで弱ってるときに、ウラジオストクの辺りを中国からせこくかすめとるあつかましい根性。
わかる気がする。

フローレンス・ナイチンゲールってイギリスの裕福な家に生まれ育ちながら、慈善訪問先での貧しい農民の暮らしを見て、看護婦を志すようになり、1854年、34歳のときにイギリスが参戦を決めたクリミア戦争で、自ら志願して30数名の看護婦を率い、戦地の病院の看護責任者となり、敵味方の区別なく治療、看護したことで有名だけど
このときの敵が黒海に出口を求めて、オスマントルコに因縁つけたロシアで、味方がオスマントルコがやられると自分とこの権益がやばいと警戒して軍を派遣したイギリス、フランス。

ナイチンゲールは夜回りする姿からの「ランプの貴婦人」、「白衣の天使」などと呼ばれることを喜ばなかったらしい。
「天使とは、美しい花を撒き散らす者でなく、苦悩する者のために戦う者である。」と言ったそうな。

ナイチンゲールは哲学と統計を重視した人だそうです。

また、後の赤十字設立に大きな影響を与えたが、自身は、ボランティアによる救護団体の常時組織設立に猛反対したそうです。

マザーテレサも同じようなことを言ってるが、「構成員の自己犠牲のみに頼る援助活動は決して長続きしない。」という、現代でも言われてることを見抜いてご発言なさってます。

「自己犠牲の精神もいるが、経済的な裏づけのないことは無力だ。」という考えがあったからだろうと言われています。


ナイチンゲールネタは、すぐに簡単に書けて、身近に思えそうなことが他にもいっぱいあるなあ。


たみ家が、勉強のことが大事で、「何が役に立つとか立たん」とか言ったらいかんと言うのは。

ナイチンゲールは、ギリシャ哲学や歴史や何ヶ国語も学ぶなど、広い範囲の教育を受けて育っていたから、そういう志しができたり、ナイチンゲールの活動を快く思わない現地軍関係者と渡り合ったり、フランス人やロシア人などの患者と話したり、軍の病院の問題点を見抜いて全体の改善を施したり、統計を駆使した報告書を英本国に送ったり、その後、近代病院のモデルとなるような病院施設のあり方をまとめたりできたわけです。
看護婦が看護だけ勉強して、いくら自己犠牲の気持ちが強くてもどうなったわけでもないんです。
そもそも、それだけなら、34歳の彼女についていって、激戦で伝染病が蔓延するクリミアに他の人がいったでしょうか?責任者になれたでしょうか?

だから、市議会議員の海外派遣廃止を唱える人にも断固、断固、断固、断固、断断断固反対なんです。

彼女の教育は裕福な生家が負担したんです。
そういう人だけが、立派な人になる途にアクセスでき、そうでない人はその途に遠く、またその途の価値にも気づかせてもらえない。
それじゃあだめなんです。



 
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