地方分権の後でしか言うな!

2009年08月25日

前々記事の「2」に当たる話です。

「1」で、民主党さんが、唯一合理性のありそうな理由として、国会議員の定数削減の理由として持ってきた話が「④」

④地方分権の中で、国は外交、防衛、司法などに特化していくべきで、国民の暮らしのことは首長など地方でやるべきなので国会議員の仕事は減るはず。
そして従来、国会議員は、地方への利益誘導などをしてきた。こういう議員を減らして、きちんとした人だけを議員とすべき。


1.ってことは、地方分権ができるまで国民の代表を奪う定数削減はやったらいかんってことでしょう。

地方分権の反射的な結果として、定数削減しても良い状況が来るというのだから、定数削減は、地方分権の一項目に過ぎず、地方分権の進捗と切り離して、単独で項目出しをしてはいけない。
することは許されないということになる。

2.そして、多い少ないについては、定数削減は国民から代表を奪うのだから、国民の代表(自治体なら首長)が編成権を持つ、行政組織の編成に過ぎない公立病院の削減よりもはるかに高い次元の問題で、もっと慎重な対応と合理性のある説明について、削減を主張してる側が責任を負わなくてはならない。

削減するなと主張する側は、代表を剥奪される側だから法理論的に、挙証責任は負わない。

3.地方分権って、国との税源や権限の綱引きもあるけど、広く地方に力が行き渡るようにしなければならないという意味では、都市部と田舎でのおぜにさんの奪い合い、命の取り合い、権力闘争の意味もあるでしょう。

地方都市にも大企業の本社ができやすいような税制や諸制度を整えないと、地方に人材も雇用も生まれにくいでしょう。
すると、都市部に相対的に不利で田舎に有利な立法や税制をつくらないといかんでしょう。
それは、都市部との間のぜにのうばいあい、命の取り合い、権力闘争でしかありません。

国会の代表的機能は、立法と課税ですよ。

田舎の国会議員減らして、都市部のを増やして、そんな田舎に有利な立法が通るわけないだろう。

つまり、国会議員を田舎から減らして、地方分権を進めるなんて背理だろう。

地方のことは地方でやるといっても、税法など国会の立法権から独立できんことが多いし、農業のあり方なんかについても、制度上地方に決定権ができても、実際に、平成12年にいわゆる地方分権一括法が施行されても、旧来の慣行は指導のようなかたちで残ったし、地方自治体の側もむしろそれを求めたように、地方で独自に判断するなんてそうそうできることではないんや。
歴史的にも誰もなしえなかったようなことを机上の空論でできることにしてもいかんのじゃわ。
それは責任ある考え方ではない。

地方分権の道筋をつけて、諸制度を整えてから、はじめて、定数削減はできることではないんか?
「じゃあ、10年はできんだろう。」ってことにならんか?
それに地方分権を進める過渡期として、むしろ田舎の議員増やして、都市部、特に東京の議員数を減らせや!
ってことにならんか?

田舎を強化する立法・課税をせないかんのに、田舎から議員引き上げてどうするんや!?

議員定数削減とか立法や課税が、ぜにの奪い合い、命の取り合いってことが見えんのか!?

男女平等の推進するのに
「女性は資産が少ないから、この資本主義の世の中、資産に応じて議員を配分しないといけないので、さらに女性議員を減らします。」
とか言いながら、一方で、「女性の権利は高めます。」って言ってるのと同じじゃない?
なるわけないでしょ!


男女平等の推進も、ある程度、賃金の平等は短期的には限られたパイから男性が取り分を減らすということだし、上野千鶴子さんをはじめ、フェミニストの方々が言うとおり、男女平等の推進は権力闘争でしょう。
経済的格差から、暴力受けたり、生活できなくなる人が多いなら、女性の側からしたら命の問題でもあるでしょう。
昔は家族養う前提のレベルでもらえた給料を減らされる男性の側からしても、命の問題につながります。
ある意味、命の取り合いを、建設的に調和させようというものでしょう。

それなのに、地方分権については、田舎の権利を奪っていくのをボーっとして、看過するのか!?

従来の利益誘導の是正は図らなくてはいけないにしても、田舎の議員を減らして、その分都市部の国政への力を強化させるのは地方分権を大きく阻害する要因になるでしょう。



 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
地方分権の後でしか言うな!
    コメント(0)